この記事でわかること
税理士さんが独立・開業される際に、頭を悩ませるのが顧客獲得の課題です。
実務は十分経験し、自信もある場合が多いと思いますが、多くの先生がお客様獲得に不安を感じながら開業されます。
磨いてきた実務を必要としてくれるお客様の見つけ方や、契約の取り方に自信が無い、わからないという方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、再現性可能であり、短期間で成果が出る「ダイレクト・レスポンス・マーケティング」の仕組みです。
ダイレクト・レスポンス・マーケティングを取り入れて頂けば、先生の事務所に興味関心を持って頂き、お問合せを獲得して頂けるようになります。
マーケティングの仕組みを確立して頂くことで、紹介や人脈営業を中心としている既存の税理士事務所に追いつき、追い越すことができます。
本日は、開業した税理士様でもできる、繁盛して頂くためのポイントをご紹介させて頂きます。
1.マーケティングを始める前に抑えて欲しいこと
当社では、日々、多くの税理士の方々と情報交換をさせて頂いております。
集客に困らない仕組みを築けている先生は、どのような考え方でマーケティングに向き合っているのか、少しご紹介させて頂きます。
〇マーケティングの仕組みは育てて強くしていくもの
マーケティングの仕組み・技術は、計測・分析・改善を行って磨き込み、上達させていくものになります。
継続して向き合っていく意欲があるかどうかが、その後の成否を分けます。
初めてマーケティングに取り組む場合、1回目の施策から目標以上の成果を出すことは難しいかと思います。
1回目の結果が全てだと思い、その取り組みは失敗だったと、その取り組みを辞めてしまう方が意外と多いのが事実です。
うまくいっている先生は、多くの時間とお金を投資し、今の仕組みを築いてこられました。
〇値下げを営業の道具に使わない
集客に困っている場合、価格を安くして勝負したくなります。
お客様は、価格でしか判断しないと思ってしまっているからです。
すぐに契約をして欲しいという思いもおありかと思います。
しかし、実際は「信頼関係」「タイミング」「サービスの価値」などといった、価格以外の多くの要素で判断しています。
そして、そこには工夫できる点がたくさん存在します。
マーケティングや営業の技術を身に着けて頂けば、すぐに価格を下げて契約を取ろうとする必要はありません。
価格を下げることはなるべく避け、価格を下げずに契約する技術習得に意欲を燃やして頂ければと思います。
〇1つの手段に依存しない。テストと改善で複数の柱を!
特定の施策がうまくいっても、その施策がこの先ずっとうまくいくとは限りません。
同じ施策を行う先生方も増えてくるため、色々な施策をテストし、その時に最も費用対効果の良いものを選んでいくことをおすすめしています。
仕事を続ける限り、ずっと必要になるのがマーケティングです。
ぜひ長い目で、マーケティングと付き合おうとして頂くことをおすすめします。
先生がかけた時間とお金が、将来の顧客獲得につながっていきます。
2.情熱・やりがいから逆算してターゲットを絞る
まず初めにやって頂くことは、誰に対して、どのようなサービスを売っていくかを決めて頂くことです。
特定のターゲットに特化し、特定のサービス提供に集中することで、事務所の基盤をいち早く築かれることをおすすめしています。
特定のターゲット、サービスに特化することは、実務の効率化はもちろん、営業の効率化にもつながり、マーケティングの成果も出しやすくなります。
また、お客様の満足度アップにもつながります。
この時に、ぜひ、先生の情熱・やりがいから逆算して、ターゲットを絞って頂けたらと思います。
これまでのクライアントで、一番理想のクライアントを想像してください。
その人はどんあことに悩んでいますでしょうか?
3.顧問サービスまでの階段を作る
〇売りたいサービスまでの階段の作り方
単価が安く、ハードルの低いサービスから試して頂きながら、高い満足度を感じて頂き、信頼関係を築いていきましょう。
サービスの階段は大きく4つに分類できます。
・フロントエンド(集客商品)
・ミッドポイント(準集客商品) ※必ずしも必要ではありません
・バックエンド(高収益商品)
・ウルトラバックエンド(超高収益商品)
それぞれに、特徴や役割があります。
バックエンドに進んでいくにしたがって、お客様が得られるメリットが増えていくように設計します。
イメージを持っていただく為に、下記の表をご覧ください。
フロントエンドは、可能なら有料にして頂くと、バックエンドへの誘導率が上がります。
まったくお金を払わない方と、100円でもお金を払った方では、受注角度が全く異なります。
本来は有料であるフロントエンドを期間限定で無料で募集するのも一つの工夫です。
上の表にあわせて、サービスの階段を作ってみましょう。
〇階段をつくると相見積もりが少なくなり営業が楽になる
フロントエンドからバックエンド(=顧問)と進んで頂くと、相手に先生のことだけを見てもらいやすくなります。
そのため、相見積もりされることが減ります。
一方、バックエンド(=顧問)から売ろうとしてしまいますと、バックエンド(=顧問)の相見積もりに会いやすくなります。
比較検討しているタイミングのお客様を集客してしまうからです。
フロントエンドで満足してくださった方に、バックエンド(=顧問)を提案して頂くと、バックエンド(=顧問)から集客した場合と比べて、契約率、契約単価は自然と上がっていきます。
〇買う理由を示し、次のステップへ進めていく
フロントエンドを買ってくださった方に、顧問を契約して頂く方が、より理想の状況になることを伝えて差し上げましょう。
買う理由の作り方は例えば、下記のようなものがあります。
・フロントエンドでは解決できない悩み・課題をバックエンドでは解決できる
・そのサービスを受けると、どんな理想の状態になれるか提案する
・期間限定の特別割引や、期間限定の特別追加特典を設け、今申込む理由をつくる
4.見込み客リストが溜まっていく集客のすすめ
〇ターゲットの悩みに向けた無料コンテンツでリスト獲得
ターゲットの課題解決に役立つ無料コンテンツが用意できないかご検討ください。
例えば、
・レポート
・簡易な電話相談
・冊子
・無料動画
といったものです。
初めて無料コンテンツをつくるときは、なかなか進まないかもしれません。
そのような場合は、日頃よく質問を受けるテーマについて、声に出して説明した音声を、テープ起こし業者などに起こしてもらうと、簡単に作成することができます。
数十分話した内容は、テキストにもすると、数万字に及びます。
それらを整え、レポートや冊子にすると、簡単に無料コンテンツを作成することができます。
他にも、セミナーを行う機会がある方は、その様子をビデオカメラに収めておきましょう。
音声をテープ起こししてもらうことも可能ですし、Youtubeなどにあげ、動画コンテンツとして、無料で提供することも可能です。
〇ターゲットに無料コンテンツを届ける販促手段を考え実行する
まず、無料コンテンツを届けたい社長像を明確にしましょう。
その社長は、日ごろどうやって情報を探していそうですか?
ネットの検索エンジンを使うのなら、社長が調べそうなキーワードに対して、リスティング広告の出稿やSEO対策を検討しましょう。
商工会報など特定の雑誌を見るのなら、そこに広告を出しましょう。
特定のSNSから情報を得ているのなら、そのSNSに投稿したり、広告を出稿しましょう。
問合せにつながる可能性が高く、時間やお金がかからないものから実践し、成果を試していきましょう。
そして、最もコストパフォーマンスの良いものを選択し、その後も継続していきます。
〇ホームページは信頼関係を構築する基点
無料コンテンツに興味を持った社長は、ほとんどの場合、先生のホームページにたどり着きます。
ホームページに訪れた社長は、先生がどういう人なのか、どのような事務所なのかについて情報を探します。
そこで、先生が信頼のおける人物、事務所であることを理解できて、やっと、無料コンテンツを申し込んでくれます。
ホームページがあるかないか、そして、ホームページに安心を与えられる内容があるかどうかで、マーケティングの成果が変わってきます。
見込み客に安心感を与えるコンテンツとは、例えば下記のようなものです。
・運営者のパーソナル情報やプロフィール(社長が共感できる内容や、共通点の有無がポイント)
・お客様の声
・サポートの実績
・その事務所の方針・ビジョン・ミッション
お客様に申込まさせる最後の一押しとして、ホームページを十分に活用しましょう。
5.まとめ
独立開業したばかりの税理士さんにとって、マーケティングの仕組みをゼロから作るチャンスです。
お客様が増えてくると、マーケティングの仕組み作りは後回しになってしまいます。
マーケティングの仕組みを早い段階から構築し、安定した集客を実現することで、目の前の顧問先様にずっと全力で向き合える状況を作っていただければと思います。
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